2007/05/02

5 指示と指導−いかに相手の脳を働かせるか その2

つぎに示すのは、先輩(A)が後輩(B)を指導している2つの例である。
1年後にどちらの後輩が成長しているかは、言うまでもないことだろう。

【事例1】

A この記事だけどなあ。
B ハイ。

A (写真を示し)これだよ。こんなのしかなかったのか?
B なかなか、いいのがなくて・・・

A 迫力ないんだよな。もっと動きがあるものあったろう。
B (首をかしげる)

A 持って来いよ。写真のファイルだよ。
B ハイ!

A (Bが持ってきたファイルを探して)
  これだな。大きく焼いてこの部分だけ使え。
B ハイ!

A それから、ここな。表現がまずいんだよ。
  言いたいことがぼやけてるぞ。書き直しといたからな。
B ハイ。

A あとはまあいいだろう。写真できたら、すぐ印刷にまわせよ。
B ハイ。


【事例2】
A なかなかいい出来だよ。
B 本当ですか?

A 100点満点とは行かないけどな。
  2ヵ所ばかり気になるところがあるんだ。
B ハイ、どこですか?

A まず、この写真だ。もっと動きがほしいと思わないか?
B ハイ、そう思ったんですが、なかなかいいのが無くて。

A 1枚をそのまま使わなくてもいいんだぞ。
  いい部分を拡大して使うとか、2枚組み合わせてもいいんだ。
  それでも無いか?
B 写真持ってきます。
  これどうですか? ここを拡大するというのでは・・・

A うん、いいじゃないか。じゃあ、これはよし、と。
B ハイ!

A もうひとつは、ここの表現だ。少し印象が弱いな。
  結論を先に持ってきて、言葉も少し強い調子にする。
  時間がないから、順番を入れ替える程度でやってくれ。
  制限時間10分だ。
B ハイ!
  (10分後)これでどうでしょうか。

A よーし、まあいいだろう。これで決まりだ。
  写真拡大したら、すぐ印刷の方に回してくれ。
B ハイ!

A お前、いいセンスしてるぞ。つぎも頑張れよ。
B ハイ!

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